導入
はじめてウイスキーを飲もうと思ったとき、
たぶん多くの人が、少し身構えると思う。
バーに行った方がいいのか。
何を頼めばいいのか。
知識がないと恥ずかしくないか。
でも個人的には、
はじめてのウイスキーは、ちゃんと家で飲んでほしいと思っている。
なぜ「家で飲んでほしい」のか
バーは、ウイスキーを知るにはとてもいい場所だ。
でも、はじめての一杯には、少しだけ情報が多すぎる。
周りの目。
メニューの文字。
正解っぽい振る舞い。
そういうものが気になって、
肝心の「味わう」が後回しになることがある。
ウイスキーは、
知識を試す飲み物じゃない。
その日の夜を、
どう過ごしたいかを決める飲み物だと思っている。
家で飲めば、
誰に見せる必要もない。
かっこつけなくていいし、
正解を探さなくていい。
グラスも自由。
氷を入れてもいい。
映画を途中で止めてもいい。
その自由さが、
ウイスキーをちゃんと
自分の時間にしてくれる。
ハイボールでいい、むしろそれがいい
ウイスキーは
ロックで。
ストレートで飲むものだ。
そんな情報を、
どこかで見聞きしたことがあるかもしれない。
たしかに、
最初からそれを美味しく飲めたらすごい。
でも、無理して飲むものじゃない。
今、自分が一番美味しいと思える飲み方で飲む。
それが、いちばん正しい。
はじめのうちは尚更だ。
ハイボール一択で、まったく問題ない。
冷たくて、
飲みやすくて、
仕事終わりの身体にちゃんと入ってくる。
俺自身、
ロックやストレートを
「味わって」飲めるようになったのは、
ハイボールを飲み続けて、
1年くらい経ってからだった。
だから焦らなくていい。
ウイスキーは、
いつでも、どんな時でも、
ちゃんと待ってくれている。
最初の一本に、正解はない
最初の一本に、正解はない。
何気ない夜に、
ちょっとでも味が出れば、それでいい。
たとえば、
ポッキーが子どものお菓子から
少しだけ大人のお菓子に感じる夜。
Netflixで映画を観ていて、
気づいたら画面に没頭している時間。
時計を見て、
思っていたより時間が経っていることに気づく。
そんなふうに、
夜の質が、ほんの少し変わればいい。
直感的に
「これ、飲んでみたいな」と思ったなら、
それが、運命の一本かもしれない。
値段なのか。
ラベルなのか。
ボトルのデザインなのか。
評判なのか。
理由は、正直どうでもいい。
そいつが、
あなたの一本目になる理由は重要じゃない。
大事なのは、
その夜を、どう感じたかだ。
まずは1本でいい
まずは、1本でいい。
無理に、次に手を出す必要はない。
ウイスキーは、
味わえば味わうほど、
少しずつ味覚が変わっていく飲み物だ。
最初のうちは、
その変化を、
たった1本で感じるだけで十分に楽しい。
たくさん持っている方がいいとか、
高いものを揃えていればいいとか、
そういうことは気にしなくていい。
それはそれで、
その人が集めてきた時間や偶然、
ひとつひとつの夜が作った物語がある。
どんなウイスキーを持っているかは、
ただ、その人の好みの話だ。
だから、焦らなくていい。
次に手を出したくなったときに、
手を出せばいい。
そのタイミングは、
きっと、向こうからやってくる。
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